相続のサイトで実際にあったテクニカルSEOの問題

2023年11月24日

相続のサイトのSEOを行っていて、実際にあったテクニカルSEOの問題について記載します。

良質な情報の掲載を続けているのにアクセスが増えないと悩んでいらっしゃる場合は、ここに記載しているようなテクニカルSEOの問題がある可能性がありますので、確認されると良いでしょう。

ページの表示スピードが非常に遅い

相続に関連するとても良質なコンテンツを掲載されていたのに、アクセス数が低迷していたサイトの事例です。

エレメンター表示スピード パソコン

パソコンのサイトの表示スピードです。ページの表示スピードはページスピードインサイトで計測することができます。通常、パソコンのサイトの表示スピードは70点以上になりますが、34点ととても遅い表示スピードでした。

エレメンター表示カピード スマホ

スマホの表示スピードです。8点と言うのはかなり表示スピードが遅く、検索結果に表示されて、リンク先をタップしてもページが表示されるのを待ち切れずにユーザーは戻るボタンを押してしまうようなページです。

どんなに良質なコンテンツがあったとしても、ページが表示される前にユーザーが戻るボタンを押してしまうようなページを検索結果の上位に表示してもユーザーは自身の疑問や質問の回答に到達できないので、このようなページを検索結果の上位に表示することはありません。

Googleはユーザー体験(UX)も検索順位の評価項目に含めていて、ストレス無く快適なサイトの方が検索結果では上位に表示されます。

Googleはモバイルファーストインデックスでモバイルページを元にランキングの評価をしていますので、スマホページの表示スピードが極端に遅く、ページが表示するのを待ち切れないようなサイトを放置しているのは致命的な問題です。

Elementorが表示スピードを遅くしていた

Elementorは感覚的にページのデザインやレイアウトを行うことが出来るWordPressのプラグインです。ページデザインが出来ない人でも自由にレイアウトが出来るプラグインですが、このプラグインのせいで表示スピードが極端に遅くなっていました。

プラグインを無効化すると表示スピードは一気に改善しました。

エレメンター off

Elementorを無効化すると、ページレイアウトが崩れるのを修正した後の表示スピードです。この修正によりアクセスは劇的に改善し、その後も改善を続けた結果、ほとんど無かったお問合せが1ヶ月50件超になりました。

画像だけのページをインデックスさせていた

Googleはページに記載されているテキストを評価して検索結果に表示します。これがテキストの全く無いページを大量にGoogleにインデックスさせようとすると、Googleはサイト全体を低品質なサイトと判断してしまい、低評価を受けて、他の良質なページも検索結果の上位に表示出来なくなります。

All in One SEOのメディアをインデックスする設定になっていた

All in One SEOは日本ではかなり利用されているSEOプラグインですが、設定を間違えるとかなり悪影響が出ますので、注意が必要です。

All in One SEOの設定で「メディア・添付ファイル」をインデックスする設定にしていると、上記のような全くテキストの無いページが大量にGoogleに対してインデックスさせるようになってしまって、「クロール済-インデックス未登録」に大量の画像だけのページが表示されていました。

画像だけのページをAll in One SEOのsitemap.xmlでも送信する設定になっていて、Googleに対して低品質なページを積極的にクロールすることを促すような設定になっていました。

この設定を修正して、sitemap.xmlの送信も停止しました。

All in One SEO

「メディア・添付ファイル」をnoindexに設定しました。

サイトマップ

「メディア・添付ファイル」をnoindexにして、sitemap.xmlの送信を停止したことで、Search consoleの除外ページが激減して、Googleが低品質と考えていたページが減少していることが分かります。

このサイトは主に広告からの集客に頼っていましたが、広告、自然検索合わせてお問合せが1ヶ月50件弱になりました。

タイトルタグが全ページ同じになっていた

タイトルタグはページに記載されている情報をGoogleに適切に伝える重要なタグです。

このタイトルタグが全ページ同じになっていると、個別のページに記載されている内容がGoogleに適切に伝わらず、せっかく良質なコンテンツの掲載をしていても、適切に評価されません。

ページ個別のタイトルになっていないと、個別ページで集客出来たはずのユーザーが集客出来ず、サイト本来パフォーマンを発揮することが出来ません。

タイトルタグが正しく記載されているかは、ブラウザ上で右クリックして「ページのソースを表示」→「Ctrl+F」で検索窓が表示されるので「title」で「Enter」を押せばページのtitleに何が記載されているか分かりますので、ページ個別のタイトルになっているか確認してみましょう。

タイトルタグに「税理士」が5回も記載されていた

タイトルタグに限らず、「同じ単語を不自然に繰り返す」ことをキーワードの乱用としてGoogleはスパムに関するポリシーで禁止しています。

タイトルダクは通常30文字程度で記載するものですが、このサイトの場合、50文字程度ありましたが、このタイトルで5回も「税理士」が記載されているのは明らかに不自然です。

このように不自然にキーワードを記載するとGoogleから低評価を受けます。

www有り無しやindex.htmlなど正規化されないファイル名でアクセスできる

https://yourdomain.com/が正規のURLの場合、https://www.yourdomain.com/やhttps://yourdomain.com/index.htmlやhttps://www.yourdomain.com/index.htmlでもページが表示される状態では、Googleの評価が分散してしまい、せっかくのコンテンツを適正に評価してもらえません。

wwwやindex.htmlでページが表示される場合は制作会社に301リダイレクトの設定をしてもらいましょう。

関連サイトのテンプレートからリンクが設置されていた

「税理士」のサイトと、「相続税」のサイトや「司法書士」や「行政書士」のサイトと、「相続」のサイトを別のサイトで運営するのは、サイトテーマの統一の観点からも自然なことで有効な施策です。

しかし、税理士のサイトや司法書士、行政書士のサイトのサイドバーやフッターからリンクすることは、Googleのリンクスパムの「さまざまなサイトのフッターやテンプレートに埋め込まれて広く配布されるリンク」に該当するリンクです。

リンクはGoogleの強いランキング要因なので悪影響も大きい

Googleはそのサイトへ向けて貼られたリンクをそのサイトへの人気投票のように評価する強いアルゴリズムがあります。

しかし、リンクは不正によってランキングを操作することが比較的簡単に出来るので、不正が発覚すると強いペナルティを課されることがあります。

サイト運営されている方も、ホームページ制作会社も何の疑いも無く、リンクを設置してしまいますが、1つのサイトから大量に貼られるリンクは組織的な不正投票のように判断されますので、とても危険です。

リンクスパムに該当するリンクは削除するかnofollowにするかリンク否認する

関連サイトへのサイドバーやフッターからのリンクは削除出来る場合は削除するのが最も良い方法です。削除出来れば、Googleからの評価が改善するのも早くなります。

ただ、関連サイトとしてリンクは残しておきたいとお考えになる事務所も多いので、その場合は、リンクにnofollowを記載してリンクをランキングに評価に含めないようにする記載をするか、リンク否認を行い、無効化するようにGoogleに要請することが出来ます。

リンススパムの悪影響はかなり長期間に及びます

他のガイドライン違反はページを修正してしばらくすればランキングが大きく改善しますが、リンクスパムは削除やnofollowやリンク否認を行っても、検索順位が改善するのにはかなりの時間を要します。

Googleの発表では、数ヶ月と言っていますが、実際に私の経験では、大量にリンクを購入していたサイトでは7年かかったサイトもありますし、11年経過してもまだペナルティが完全に解除されないサイトもあります。

これは、ページの修正は頻繁にクロールされるのですが、リンクはなかなかクロールされず、リンクの変更をインデックスするのにとても長い時間を要するためです。

実際にSearch consoleから最新のリンクをダウンロードすると2016年が最終更新日になっているリンクが大量にあるサイトもあります。つまり、7年間クロールされていないリンクがあるのです。

これ程リンクスパムは厄介な問題をはらんでいますので、リンクの設置には注意が必要なのですが、ホームページ制作会社も事の重大性はあまり認識されていません。

相続のサイトはコンテンツよりもテクニカルな問題の方が多い

相続のサイトを運営されている方達は、相続の専門家なので、法律の解釈や発生する問題に対して良質なページを公開されていることが多いので、コンテンツが低評価になっていて、アクセスが低迷するようなことはあまりありません。

掲載されているコンテンツの踏み込みが競合サイトよりも浅いことがあったり、ユーザーの検索意図と少しズレていることはありますが、コンテンツが致命的な問題になってアクセスを稼げないと言うことはほとんどありません。

相続のサイトのアクセスが無いとかお問合せが無いとお悩みの場合のほとんどはテクニカルSEOの問題です。

テクニカルSEOの問題をSEOに詳しくない人が対応するのは難しく、下手な対応をするとかえって問題を複雑にすることがありますので、専門家に依頼されるのが良いでしょう。

相続

Posted by 清水 康次